女性の貧困と聞くと、どんな状況を想像をしますか? 思わぬ職業が、実は貧困の巣窟(そうくつ)だったりするのです。



写真はイメージです(以下同)



 一見華やかに見えるグラビアアイドルの世界も、よほど売れっ子でもない限り、それだけでは食べていけないことが多いようです。


 そんな業界の裏側を、元グラビアアイドルで、当時かなり貧しかったという女性に話を聞きました。


◆売れっ子以外、ギャラでは食べていけない厳しい世界
グラビアアイドルっていうと華やかなイメージがありませんか? 芸能人やスポーツ選手と合コン三昧で、VIPとばかり付き合ってるし、ギャラもいいからお金にも困らなそうみたいな。それ半分本当で、半分はガセですよ」と話すのは10年前まで売れないグラビアアイドルだったという里奈さん(36歳/広告代理店勤務)。


 さらに、あくまで彼女の知る限りですが、なかなかギャラだけでは食べて行けず、お金で苦労することや、業界人のパトロンがいることも珍しくないといいます。



 ウソか本当か分かりませんが、今では確固たる地位を確立している元グラビアアイドルの女優も、一時期は大物芸能人の愛人だったという噂もありますね。


「私と同時期にデビューした、現在は有名になった元グラビアアイドルにも、パトロンがいるという噂が流れてました。私はグラビアをやってた当時は彼氏がいたので、なんとかなっていましたが、それでも超貧乏でしたね」


◆食費を浮かすために人のおごりで遊びまくった日々
 週に1回ほどのグラビアの仕事では、ロケ弁やお菓子、さらにはペットボトルも持てるだけ持ち帰り、主食は近所のパン屋でもらうパンの耳だったという里奈さん。


 歳上の彼氏(当時35歳)は羽振りが良く、デート代はおごってくれたので、一緒の時は良かったのですが、一人の時は徹底して節約していたといいます。


「暇だったので、とにかく毎日遊んでましたね。彼氏と会う時以外は、ゴチコン(おごりの合コン)かギャラ飲み(お小遣い付きの飲み会)を入れまくって、食費を浮かしてました。飲み足りない時は、クラブに行ってナンパしてきた男にゴチってもらったり。今思えば若かったからこそできることですよね(苦笑)」


 確かにゴチコンやギャラ飲みは、行きたくても誰でも行けるものではないかもしれません。


 しかし、仕事もバイトもろくにせず、遊び呆けていた里奈さんについに雷が落ちます。


パチスロにハマり、彼氏に50万円の借金を……
「当時の彼氏と一緒に住み始めることになったおかげで、家賃・光熱費がなくなって、生活がだいぶ楽になったんです。でも少しゆとりが出たら、節約してた反動か、すごいお金を使いたくなってしまって……」


 当時、パチスロ雑誌のイメージガールをしており、パチンコ屋には仕事でよく行っていたという里奈さん。イベントでは、実際に新台をプレイしたりもしたようで……。



「楽しくてハマっちゃいました(笑)パチスロ雑誌も隅から隅まで読んで、当たり目(大当たりの直前に出るスロットのリールの配列)を覚えたりして、毎日のように通ってましたね。彼もパチスロ好きだったので、休みが合う日は一緒に行ったりもしました」


 ですが、週に1度しか仕事をしていない里奈さんと平日フルで働く彼とでは、通う頻度は明らかに里奈さんの方が多く、負けが続くと彼からお金を借りることもあったといいます。


気付いたら負債は50万円くらいまで膨れ上がっていましたね……。返せるアテなんてあるわけないし、もちろん借用書も書いてないし、彼氏だから大丈夫かなぁ~なんて甘くみてたら、バチが当たりました(泣)」


 バチ当たって当たり前ですから~!


「同棲してからもクラブ通いはしてたんですが、ある日酔っ払って朝帰りして、寝ている彼の上にダイブしたら、『お前もう出てけ~!』と追い出されました(笑)


◆30歳を前にして再スタート
 彼は里奈さんのいい加減でだらしない日々の生活に呆れ果てていたようです。


 しかし里奈さんは、彼に借金もあり、もはや彼がいないと生活ができませんでした。で、パチスロや夜遊びを止めはしないものの控え、「生活を改めるから別れたくない」としばらく踏ん張ったのですが……。


『借金は返さなくもいい。頼むから別れてくれ』と言われました。それを聞いて内心、少しラッキーとも思いましたが、それだけ本気で別れたいんだなって思うと、悲しくて寂しくて落ち込みましたね」


 彼と別れた当時の里奈さんは28歳。プロフィールでは3歳サバを読んでいましたが、それでも25歳と、パトロンが欲しくても難しくなってくる、業界では若いとはいえない年齢です。グラビアという仕事に未練がなかった里奈さんはキッパリと辞め、就職活動を開始。そして、縁のあったベンチャー企業で広報宣伝担当として働き始めます。



「外面(そとづら)がいいので、どうにかポテンシャル採用してもらえたけど、PCを触ったことすらなかったので、仕事を覚えるのはかなり大変でした。でも、給料は良くなくても、自分で稼いだお金で飲むお酒はやっぱり美味しいですよね」


 それから転職を重ね、今は小さな広告代理店マネージャーという役職にもつき、年収も就職当初の倍くらいまで上がったといいます。頑張って、貧困から抜け出すことができた里奈さん。


「働くことがこんなに楽しいと思わなかった」と言っていたのが印象的でした。


シリーズ 貧困の沼、転落の淵


<文/白戸ミフル>


【白戸ミフル】合コンに累計2,500回参加(今も記録更新中)した合コン漫画家。著書『合コン・アンド・ザ・シティ 恋活・婚活女子の合コンマニュアル』『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話
Twitter@takara0722



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(出典 news.nicovideo.jp)


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